3月5日
COLONBO MIYAGISHI'S HOUSE


スリランカに到着した。
飛行機から降りると、また深夜だった。
空港までGのおじさんが迎えに来てくれた。
40くらいの商社マンかと思っていたら全然ちがった。
(名前以外ほとんど何も聞かされていなかった)
まだ若くて、普通の日本人と違った匂いがして、とても面白い人だった。
初対面なのにとても親切にしてくれた。
おじさんはMさんと言い、コロンボの大学で日本語を教えているらしい。
日本政府からの派遣(だったと思う)で、給料は日本から出る。
コロンボで立派な家に住んで、お手伝いさんを雇い貯金をしてもお釣が来る。
2年くらいで各国を転々とするが、それも楽しいらしい。

Mさんの車で彼の家まで。
しばらく、そこにやっかいになることになる。
Gはと言うと、2、3日前旅に出てまだ帰ってこないらしい。
まったく人が来るというのに奴は・・・。
その夜は、ちょっとしたご馳走とスリランカのお酒をご馳走になった。
その後、部屋を一つ貸してもらった。

ベットに寝そべると天井にむき出しの巨大な扇風機が見える。
改めて、異国に来たことを認識させられた。
バンコクでは、違法臭い格安旅行の商売をしているという兄ちゃんと出会った。
日本を出て最初に話らしい話をしたのは、彼が初めてだった。
一歩、自分の世界を出ると、全然違う行き方をしている人ばかり。
なんか今までのあたりまえなんてウソのように思われた。
悲しいことがあったのに、もはや忘れかけている自分が恐ろしい。
見知らぬ土地も恐ろしい。
普段の生活を段々忘れていきそうになる自分が恐ろしい。
日常と旅、どちらが本当の自分か分からなくなる。
どちらが本当の自分かと言えば、日常の方だろう。
バンコクで会った兄ちゃんは、ほとんど日常を捨てているようだったが・・・。
このままだと、俺もどんどん日常から遠ざかっていきそうな気がする。
果たして社会復帰できるのか?
まだインドに行ってもないのに、すでに不安な俺であった。

戻る明日